モクタンカン

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好きなかたちに組み立てる森の単管、モクタンカン

木のやわらかさ、温もりを感じさせる手触り。木に包まれることの安心感、ふわっと漂う森の香り。そんな木の魅力を生かしながら、さまざまな空間や場面に応じて、カンタンに好きな形に組み立てられる素材があったら。そんな発想から“木単管=モクタンカン”は生まれました。

“木単管”の発想はとてもシンプル。仮設足場の資材として広く普及している“単管システム”の金属パイプを、間伐材のヒノキから削り出した丸棒へと置き換えただけ。拡張性の高い“単管システム”と規格を合わせることで、クランプなどの豊富なパーツがそのまま“木単管”でも使えます。プライベートなファニチャーから、店舗や公共空間での利用まで、“木単管”の広がりは無限大です。

Ф48.6を削り出すこと

STYLE

カギとなる数字、“Φ48.6”。中途半端な数字に見えますが、実はこれは単管システムの規格寸法。このΦ48.6mmに木を削り出すことにより、“木単管”では多くの単管クランプの流用が可能となっています。
 どちらかと言うと裏方、隠したい存在だった従来の鉄の単管システムを、木へと置き換えることによって空間の主役、見せる存在へと変えていくこと。木の本来の魅力である柔らかさや温もりはそのままに、“Φ48.6”による規格化によって“木単管”の可能性は飛躍的に広がります。

“木単管”は日本の森で育ったヒノキの間伐材を使用しています。間伐材の利活用はどの生産地でも必ず直面する課題。また、ヒノキの木目はどことなくもったりとなまめかしく、伝統的な“和”の建材としての雰囲気が強いため、これまで使うシーンが限定されがちでした。
 そんなヒノキを丸棒という幾何学的な形に削り出すことによって、温かなリビングにも、おしゃれなカフェにも、公園やイベントの公共空間にも、どんな場面にもフィットする“木単管”が生まれました。

Ф48.6から広がっていくこと

STYLE

クランプの最大の利点は“組み立てがカンタン”なこと。ボルトを一本締めるだけで木単管を固定でき、ゆるめれば分解できます。しかし一方で、クランプは見た目のゴツさや工事現場のラフなイメージが強く、屋内や多くの人の目に触れる場面で表立った使い方をし難いのが課題でした。
 そこで、ヒノキの表情に合わせてオリジナルの塗装やメッキを施すことで“見せるクランプ”に。使うシーンや好みに合わせて色や質感を自由にコーディネートできるラインナップを“木単管”に加えました。
 さらに鉄パイプと比較して重さは1/3ほどと軽いのも“木単管”のポイント。少人数で持ち運びや組み立てが可能なため、マルシェなどのイベントスペースから災害時の仮設空間づくりまで、活用の場面は広がります。

森林大国である日本において、潤沢な資源である木材。日本国内で統一された“Φ48.6”という工業規格。入手が簡単な木材、製材が簡単な形状、加工が簡単な素材、組み立てが簡単な仕組み、統一された規格──これらが“木単管”として組み合わさることは、新たな流通性と拡張性をもたらします。
 さまざま場面で考える楽しさ、作る楽しさ、使う楽しさが広がり、“木単管”のまわりに笑顔があふれる。その笑顔が森の元気につながっている。そんな新たな循環に向けた取り組み、それが“木単管”です。

森から届く木のぬくもり、自分の手で好きなかたちに

VOICE01 井上達哉

1984年広島県生まれ。森が好きで森林生態に興味を持ち、在学中にインドネシアに渡り、熱帯雨林再生のための植樹研究に従事。2009年に百年の森づくりを目指す岡山県西粟倉村へ移住し、㈱西粟倉・森の学校の立ち上げに参画。2015年から同社の代表を経て独立。現在、林業や国産材の新たな可能性を探る旅をしている。

2009年に岡山県の北東端にある人口約1500人の西粟倉村へ移住した井上達哉氏。村が掲げる百年の森林構想の推進に貢献し、地域内の木材流通の改革や商品開発等、型にはまることのないたくさんの挑戦を行ってきた。その林業再生に注ぐ情熱で、業界の既成概念に捉われない井上達哉氏に“木単管”が持つ魅力や可能性を聞いた。

──井上さんは、これまでも間伐材を使った数多くのDIY素材や商品を開発してきました。どの商品にも共通して「お客様に委ねる」という姿勢が感じられるのですが、それは“木単管”にも通じるところがあるのではないでしょうか。

井上:僕は、ものを作るのは楽しいことだと思っていて、たとえば完成した状態の家具も素敵なんですが、やはり自分の手で作ったものや、あるいは誰かと一緒に作ったものは、作る時間も価値になっていくのだと思っています。
 実際に商品で何かを作ってみたお客さんから、「やってみたら簡単でした」とか「本当にいい空間になりました」とか、そういう声をいただけるとすごく嬉しいですね。素材を通してお客さんと心が繋がっていくような感じがあって、何かものを作るっていうのは、人間にとって共通の喜びだったりするんじゃないかなとさえ思っていて。
 そういう作る時間も含めてお客さんに届けたいなって思って商品を開発してきましたし、この“木単管”にもそこを期待していると思います。

日本中の森を“木単管”でつなげる

VOICE01

──木材と工業製品の金属であるクランプとの組み合わせが面白いなと思うのですが、言ってしまえば、かなりシンプルな組み合わせの商品ですよね? ということは、日本全国の各地域で同じように製品化できる商品でもあるわけですが、そういった面での広がりはどのように考えていますか?

井上:日本中どこでも森があって、長年日本人がこの森と寄り添って暮らしをつくってきたので、日本全国で木材を加工する技術は本当に成熟しているんですよね。
 無垢材は高級だなってイメージがあると思うんですけど、木材は素材としては本当に安くて、僕ら林産業に携わっている側からは価格も安くなってきているのを感じます。でも、木材を組み立てるとか、組んで家具を作るとか、家を作るということは、技術の差があったり、地域性がすごく見られるもので、木材を別の場所で加工しなくてはならない場合もあり、そうなると価格に影響してきてしまいます。
 その点、“木単管”はすごくシンプルで、丸い棒に加工してクランプと組み合わせるだけで好きな形に組み立てられる商品なので。今後もっといろんな産地の木で作ることもできるし、お客さんのさまざまなニーズに答えられるものにしていければと思っています。
 僕は、西粟倉という産地だからこそできることをずっとしてきたのですが、西粟倉だからこそできることは他の産地でもできると思っていて、同じような条件の日本中の産地がお客さんとつながれること自体が、未来に向けて自分たちの森を残していくこと、50年後、100年後の林業を考えていくことに繋がるんじゃないかなと思っています。

── “西粟倉”ってどんなところでしょうか? 西粟倉的なライフスタイルについて教えてください。

井上:西粟倉の人たちは、楽しく働いたり暮らしたりしている人が多いと思っていて、畑や田んぼを耕したり、ときには狩猟をやったりとか、いわゆる“スローライフ”って言われるような「田舎だからしなきゃいけない」ことってあると思うんですけど、西粟倉の人たちっていい意味で肩の力が抜けていて。そういうことしなきゃいけないって思ってる人たちはあまりいなくて、やれたらいいよねって考えながら、あまり都会の生活と変わらない働き方してたりとか(笑)
 ただ、みんながすごく近い関係でいるので、「こういうのやろうと思うんだけど、どう?」って言うと、「おもしろそうだね、一緒にやろうよ!」って話になったり、個人個人は独立しながらも何か見えないマインドを共有しているというか。「ちょっと一緒にやらせてよ」って空気感があるんだと思います。新しく移住してきた人たちだけじゃなくて、地元の人たちもそうで。みんなで一緒に仕事して楽しくお酒を飲めるのが最高ですね(笑)

手を使って考えること、ハンズオンの現場から

VOICE02 荒木源希

A+Sa 株式会社アラキ+ササキアーキテクツ共同主宰。2008年設立。東京都調布市深大寺の市場の2階に、木工の工房を併設したオフィスを構える建築設計事務所。"Hands-on"approach(手を使って考える)を設計方法論に、住宅、店舗、オフィス、ビル、工場の設計から家具のデザイン・製作、素材の開発まで幅広く手がける。
http://arakisasaki.com/

A+Sa(アラキ+ササキアーキテクツ)では、建築の設計時にスケッチや模型作りだけではなく、原寸大のモックアップ、サンプルを作成して設計案を検討するなど、手を動かしながら素材やものに関わっていくことが設計のプロセスに組み込まれた“ハンズオンアプローチ”という独自の方法論が実践されている。
 この“ハンズオンアプローチ”から“木単管”がどのように生まれてきたのか、企画・設計を担当した建築家、荒木源希氏に設計スペースと木工房が併設されたオフィスで考えをきいた。


──今回の“木単管”というコンセプト、アイデアはどのようなところから生まれたのでしょうか?

荒木:きっかけになった団地のリノベーションプロジェクトがありまして、お施主さんから建築現場の単管をインテリアで使いたいとの強い要望があったんですね。僕らも工業化された既製品をインテリアに転用する考えはすごく好きなので、「ぜひ、やりましょう!」と(笑)
 しかし、生活空間に単管をそのまま入れてしまうと、鉄の硬さや角の痛さがどうしても気になって……。そこで鉄の単管を木の丸棒に置き換えたらどうだろうかというアイデアが生まれました。生活空間では木の単管を用い、仕事の空間は鉄の単管にして、素材の使い分けによって空間の機能が分かりやすくなるようにしてみたんです。
 “ハンズオンアプローチ”を通して、素材を実際手に取って加工して、加工業者さんとも綿密なやりとりをしてきた経験があったからこそ、このアイデアが実現できたのかなと思います。

見慣れた風景を“木単管”で変えていきたい

VOICE02

──単管の規格=Φ48.6を木に置き換えることの可能性や活用の可能性について、どのように考えていますか?

荒木:Φ48.6という寸法は、この“木単管”の太さです。建築現場で使う単管クランプのサイズと合わせてあるため、クランプを使ってさまざまな形に“木単管”が組み立てられることになります。
 公共の場や多くの人が利用する場所でも活用できると思っていて、たとえばマルシェのようなイベントのブース、あるいはお祭りの大きな櫓、ライブ会場のステージのように、素材を木に置き換えることで、これまでとは表情や雰囲気もまったく変わってくるのかなと。より親近感を感じてもらえるような、温かみのある、柔らかい印象になるでしょうね。
 さらに鉄よりも軽くて、誰でも組み立てが簡単にできることも大きなメリットで、その場で組み立てて、すぐに解体してってことができたり、災害時の仮設ブースのような構造体も“木単管”であれば、少人数で簡単に作ることができるんですよね。

── オフィスを構えられている“調布”ってどんなところでしょうか? 調布的なライフスタイルについて教えてください。

荒木:A+Saのオフィスは東京都調布市の深大寺にあります。最初は広いスペースが確保できて、工房も併設できそうだという条件的な理由で決めたのが正直なところですが(笑)、調布という場所が何だかおもしろいぞってことはずっと思っていて。すぐ隣を流れる野川で家族連れがバーベキューしていたり、オフィスが入っている建物の1階はもろに昭和な感じの市場が広がっていて、買い物客でにぎわっていたり。
 ヒノキやスギならではの、ちょっと昔ながらの野暮ったさみたいなイメージと、僕たちのオフィスや設計のスタイルと、調布の空気感である“決めすぎない”とか“かっこつけすぎない”ところがリンクしながら、“木単管”のイメージに繋がってきたと思います。
 市場っていう空間のおもしろさって、それぞれお店の合理性や必然性によって蓄積されてきたものが、あまり計画されすぎずに増殖してしまってるところにあると思うんですが、同じようにアイデアしだいで好き勝手に増殖していけるのが“木単管”のよさです。自分たちのアイデアや設計だけじゃなくて、自然発生的にいろんな形が出てきて“木単管”がどんどん展開していったら、開発者としてもすごくおもしろいなって思います。

モクタンカン組み立てはカンタン

DIY

木単管の組み立て手順をご紹介します。組み立てるものの大きさや複雑さによって、組み立て作業にかかる時間や手順はちがってきますが、木単管どうしをクランプで固定していくだけのシンプルでカンタンな作業。特殊な工具や電動工具も必要ありません。

※必要な道具:のこぎり・ヤスリ(240番程度)・ラチェットレンチ(サイズ17)、あるいはモンキーレンチ・木材用の塗料(必要な場合のみ) 1:ヒノキの間伐材からΦ48.6の丸棒へと加工された木単管は、木材の風合いをそのまま生かしたつくり。一本ごとに木目や節目も異なります。届いた木単管をじっくり見比べながら、どこにどの部材を使ったらよいか、イメージを膨らませてみてください。

2:次に木単管を必要な長さにカット。のこぎりでカットすることができるのが、鉄の単管との大きなちがい。カットをしたら断面の角と全体をヤスリで軽く整え、お好みの手触りに仕上げましょう。塗装をする場合はこのタイミングで。おススメは木の呼吸を妨げない、自然塗料オイルです。

3:組み立てに必要な道具は、ラチェットレンチ、またはモンキーレンチだけ。木単管を直角に固定したいときは直交クランプ。自由な角度で固定したいときは自在クランプを使います。クランプをはめたら、ずれない程度にレンチで締めながら仮止めします。

4:部材となる木単管をクランプで仮止めしたら、全体のバランスを確認しながら角度や長さなどの最終調整。最後にすべてのクランプのボルトをしっかり絞めこんだら、完成です。

◎木単管
材質:ヒノキ(節あり)
太さ:Φ48.6mm
長さ:標準2m(最長4m)
仕上げ:無塗装

◎クランプ
種類:直交クランプ/自在クランプ/
その他足場用クランプ
塗装:グレー色ウレタン吹き付け塗装 
メッキ品:光沢クロメートメッキ(銀色)/
黒色クロメートメッキ

注文・問い合わせ
キット商品以外もデザイン、製作致します。メールにてお問い合わせください。

ココホレジャパン株式会社
岡山県岡山市北区奉還町2−9−30
info@moktankan.com

開発者:A+Sa株式会社アラキ+ササキアーキテクツ
協力者:井上達哉/嶋津穂高/薮内新太
協力会社:株式会社ようび/平和技研株式会社

モクタンカンSTORE

・木単管は自然素材のため、経年変化による反り、変形、変色、割れが生じる場合がございます。
・木単管は国産材から作られており、節が含まれます。
・クランプ(塗装品)ボルト部の塗装は、締める際にはがれがおきますが、商品の特性上ご了承ください。また金属同士を激しくぶつけるなどでも塗装が剥がれる可能性がありますので、ご注意ください。
・クランプについては、ご希望の塗装色、またはメッキ種類を承ることも可能です。
・本体価格、納期については、メールにてお問合せください。
・木単管を使った家具、ブース、空間の設計も承ります。メールにてご相談下さい。